
人間の身体には、本来こうなるべきという理想的な姿勢があります。これを無視して悪い体勢を繰り返すと、なりやすいヘルニアというものがあります。ざっとあげると頚椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間板ヘルニア、横隔膜ヘルニア(特に食道裂孔ヘルニア)あたりがあります。
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椎間板ヘルニアの原因は何と言っても、姿勢の悪さが長年積み重なった、椎間板の疲労があげられます。本来の椎間板が持っている耐久力が100あったとしても、姿勢が悪くて片側にばかり負担がかかるようでは半分だけしか耐久力を発揮してくれませんよね。そこで姿勢を正す必要がでてくるわけです。
それでは本題の正しい姿勢ですが、本来、人間の背骨を横から見ると柔らかいS字を描いているのです。つまり、正しい姿勢とはお腹の後ろの腰椎が少し前に出て、首の骨である頚椎を気持ち後ろに引っ込めた体勢です。
次に背中側から背骨を見た場合、まっすぐになっていて両肩、骨盤が同じ高さにあるのが理想系です。別にヘルニアの予防でなくても、正しい姿勢を意識するのは肩こりや偏頭痛などの軽減にもつながりますから、いつでも気をつけておくのがいいですね。

椎間板ヘルニア、特に腰椎椎間板ヘルニアは基本的に自分の体重による負担に耐え切れないで起きるものですから、腹筋背筋を鍛えるのと同様、体重そのものを減らして適正体重を保つことも立派な予防方法です。
それに太れば臓器そのものも重くなるので、鼠径ヘルニアなどにもかかりやすくなります。さらに、太るというのは高血圧など脳内出血の原因になり、脳内出血は脳ヘルニアの原因になりますから、痩せるのは間接的に脳ヘルニアの予防にもつながります。
女性が外見を気にして行うダイエットと、健康を求めて行うダイエットは違います。特に椎間板ヘルニアの予防のために健康的なダイエットを目指すのであれば、食事は必要な栄養素をきちんと採った上でのダイエットを目指しましょう。
特にカルシウム不足からなる骨粗鬆症(こつそしょうしょう)にかかると、椎間板そのものがボロボロになり、椎間板が逸脱するどころかつぶれて、脊髄損傷から下半身不随になる可能性すらあります。

脳ヘルニアや横隔膜ヘルニアの多くは、その部分を打撲したことによる外傷性と呼ばれるものが多いので、とりあえず事故などに気をつけることにしましょう。事故にあったらヘルニアどころの騒ぎじゃないかもしれませんけどね。
その他、椎間板ヘルニアも外傷(特に滑ってお尻を強打するなど)で起こることがありますが、意外と多いのが事故ではなく、日常の何気ない動作によるもの。それはなぜなのか、そして気をつけたいポイントを紹介しましょう。
ぎっくり腰もそうなのですが、普段イメージする重いものを持って椎間板ヘルニアを起こしたというものより、実際は何気ない日常動作によるものが多いのです。なぜかを一言でいうと、筋肉が油断しているからです。
見た目で軽そうな物を持とうとした場合、脳が勝手に「これくらいかな」と判断して筋肉をセーブします。ところが、思った以上に荷物が重かった場合にまともに腰椎にダメージが行くのです。同じように、急に身体をねじったり、普段使わない部分を使ったりする場合も筋肉が油断していることが多いので要注意です。
もちろん、重いものを持つときは気をつけて持つ必要があります。良く言われることですが、前かがみで物を持つのは最悪です。正しい姿勢は片膝をつけ、物を持ったら背中はなるだけまっすぐにした体勢か、カエルのように両足を曲げてお尻をどっしりと落とすのがいいでしょう。
この体勢で、背中はまっすぐにすることを考え、持ち上げる力は足の筋肉に任せるようにすると負担が減ります。なお、あまり重いものを持とうとして力を入れると、腹圧が上がって鼠径(そけい)ヘルニアなどの症状が悪化することがありますから、あまり無茶はしないようにしましょう。もしも荷物が重すぎると思ったら、素直に助けを求めることが大事です。

いろいろと話しましたが、結局普段から身体をいたわろう、という気持ちが一番ですね。もちろん身体を甘やかしすぎると、臓器の脱出を抑える筋肉そのものが緩んでしまいますから、適度な運動も大事です。そこで、次は運動でヘルニアの予防と対策を行うことについてお話していきます。
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