
ヘルニアとは、ラテン語でそのまま脱出を意味します。つまり、ヘルニアとは何らかの原因で周りの組織の圧迫に耐えられなくなった臓器が、組織の柔らかいところからはみ出して(脱出して)しまう状態です。
たとえば鼠径ヘルニアの場合、腸が腹筋の圧力(おなかに力を入れた)に耐えかねて、鼠径部(足の付け根部分)の薄い膜を突き破って脱出してしまった状態を鼠径ヘルニアと呼ぶという具合です。こうして「臓器が本来あるべき場所から逸脱した症状」をまとめてヘルニアになります。
スポンサードリンク

次にヘルニアになる原因を考えてみましょう。人間の身体は基本的に、心臓はここ、肺はここで腸はここにあるべきだと決まっています。そして、身体はその決まりにもとづいて筋肉や各種の膜などで身体の中を区画整理しています。
この区画整理は結構しっかりしていて、そのおかげで人間が歩こうと寝転がろうと内臓の位置は一定に保たれているのです。しかし、この区画整理を行っている筋肉や膜に弱い部分があると、そこからはみ出てしまうのです。ヘルニアになる原因とは、この区画分けを行っている部分が弱ったことからと言えますね。

組織の柔らかいところというのは「筋肉同士の隙間」だったり「薄い膜の部分」だったりとさまざまですが、とにかく身体のあちこちに柔らかいところはあるので、当然ヘルニアも身体のあちこちに出来る可能性があります。ただ、やはりもともと弱い部分や、酷使しやすい部分はヘルニアになりやすいと言えるでしょう。逆に脱出しやすい内臓はというと、長くてそれ自体は固定の弱い消化器系(胃腸など)になります。なりやすい場所については、ヘルニアになりやすい場所とは?のページで詳しく紹介しますね。

ヘルニアはいつでも誰でもなることがあるのですが、やはりヘルニアを起こしやすい状態というのはあります。いくつか紹介してみましょう。
上で、ヘルニアになる原因に「長年の酷使」によるヘルニアがある、と書きました。椎間板ヘルニアなどがそうです。こういうヘルニアは生まれたての赤ちゃんやまだまだ身体を酷使するに至っていない小児には少ないのです。
しかし、その他のヘルニアでは、身体が完成していない小児では、臓器の脱出に抵抗する筋肉や膜が弱くてヘルニアになりやすいのです。特に、そけいヘルニアの大半は子供に起きやすいものです。また、生まれつきによるヘルニアや、身体が弱いために外傷によってもヘルニアになりやすく、子供は意外にもヘルニアになる可能性が高いのです。
まず、赤ちゃんと同様の理由から、筋肉の弱い人は要注意です。大人になってそれなりに筋肉がついているから大丈夫だろう、と思ったら大間違いで、内臓もその分成長して重たくなっていることをお忘れなく。その上赤ちゃんのときに心配しないで済んでいた「身体の酷使によるヘルニア」の危険性はどんどん増してきます。
酷使系ヘルニアの代表格である椎間板ヘルニアは、同じ体勢でイスに座っているなどすると大変疲労しやすいのです。さらにデスクワークの人の方は運動不足による筋肉低下を起こしていることが多く、ますますヘルニアを起こしやすくなります。今、座ってパソコンのモニタをみているあなたの腰は大丈夫ですか?

以上をざっとまとめてみると、ヘルニアそのものは病気ではなく、本来あるべき臓器の位置から臓器の一部がはみ出してしまった症状全てを指す「症状の一つ」です。そして、はみ出した臓器やその位置によって、さまざまな副作用……痛む、身体が曲げにくい、といった症状が現れることになります。また、ヘルニアにはなりやすい部位があり、外部からの刺激(打撲、裂傷など)によるものを除けば、ほぼ決まった位置に出やすい傾向があると言うことも覚えておいてくださいね。
スポンサードリンク