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鼠径ヘルニアと臍ヘルニア

鼠径とは足の付け根、臍はおへそのことです。

それらの部分から、腸などの臓器が脱出したものをそれぞれ鼠径ヘルニア、臍ヘルニアと呼びます。

脱出部分が違うものの、どちらもおなかを覆う膜(腹膜)の弱いところから飛び出すという症状は同じです。

鼠径ヘルニア・臍ヘルニア

どちらも大まかに言うと、腹膜が弱いことによるヘルニアです。

それぞれの特徴について説明しましょう。

鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニア

鼠径(そけい)は難しい字なのですが、足の付け根の、特に内側の部分を指します。

この鼠径や、下腹部などに起きるヘルニアを鼠径ヘルニアと呼び、若年層か高年齢層におきやすいヘルニアです。

若年性(先天性)と後天性のものでは、その原因が変わります。(下記原因参照)

男性の場合、脱出した臓器は主に“いんのう”に飛び出るため、袋が大きく膨らみ俗に「脱腸」と呼ばれています。

女性の場合、または男性でも部位によっては下腹部にポコッとした膨らみが出来ます。

この膨らんだ部分によって鼠径ヘルニアは細かく4つに分けられますが、治療方法や症状には変わりないので省略します。

さて、通常飛び出た臓器は手で優しく戻してあげれば、そのまま戻るのですが、たまに戻らなくなってしまうことがあります。これを嵌頓(かんとん)ヘルニアと呼びます。

すると血流が止まり、腸がしんでしまうことがあるため、大変危険です。

こうなったらすぐに病院で治療を受けなくてはなりません。

臍ヘルニア

臍ヘルニア

へその緒を臍帯(さいたい)と呼びます。

生まれたての赤ん坊はこの臍帯でお母さんとつながっていたわけで、言わば外界との連絡通路だったわけです。

そのため、この部分はもともと筋肉や脂肪が少なくて開放的なので、ここから腸が脱出してしまうヘルニアが起こります。

これが臍ヘルニアですが俗称の「でべそ」と言ったほうがわかりやすいかも知れませんね。

鼠径ヘルニアに比べると嵌頓ヘルニアになる可能性は低く、ほとんどが筋肉の発達と共に自然に治ってしまうものなので、さほど心配は要りません。

ただし、でべそを子供が引っかいたりしないように、保護者のほうが観察する必要があります。

臍ヘルニアは普通1~2歳くらいまでに治るものですが、もしそれまでに治らない場合でも、手術で治すことができます。

鼠径ヘルニア・臍ヘルニアの原因

臍ヘルニアの場合はほとんどが先天性ですし、鼠径ヘルニアも先天性のことが多いようです。

しかし、生まれつき以外でもヘルニアになる事もありますので、油断しないようにしましょう。

1:先天性によるもの・臍ヘルニアの場合

ほとんどの臍ヘルニアは先天性のものが原因で、おなかに圧迫を加えたり、赤ちゃんがおなかに力を入れたりすると、おなかの圧力が上がって筋肉の最も薄いおへそをめがけて脱出してくるのが原因です。

もちろん成人でも起きる可能性はあるのですが、やはりおなかの筋肉が弱い赤ちゃん、特に未熟児で生まれた子供はなりやすいとされています。

手で戻してあげれば大抵戻るのですが、一度ヘルニアを起こすとクセになるので気をつけてあげましょう。

2:先天性によるもの・鼠径ヘルニアの場合

2:先天性によるもの・鼠径ヘルニアの場合

先天性疾患と言うのはたくさんありますが、この鼠径ヘルニアはその中でもかなりポピュラーなものに当たります。

赤ちゃんがおなかにいるとき、腹膜鞘状突起(ふくまく-しょうじょう-とっき)というものが形成され、成長にしたがって“いんのう”に下がってきます。

腹膜鞘状突起は袋状になっていて、本来であれば巾着のように袋の口がふさがるのですが、中には生まれつきここが閉じられなかったり、閉じていても不十分だったりすることがあります。

これが先天性鼠径ヘルニアの原因になります。

こうした理由があるので、鼠径ヘルニアは女児より圧倒的に男児に多くなります。

3:後天性のもの

臍ヘルニアが成人に発症する事はかなりまれなので、鼠径ヘルニアに関しての話になります。

鼠径ヘルニアは、加齢することで腹膜や筋肉が弱り、自分の内臓の重みに耐えかねて鼠径部分に脱出してくることが大きな原因です。

そのため、普段から立って作業することが多い人や、腹圧が大きい人(便秘気味でトイレできばる人、妊婦さん、咳やくしゃみをよくする人、太った人など)では鼠径ヘルニアを起こしやすくなります。

臍ヘルニアの症状

腸がおへそから飛び出てくるのが症状で、大抵の場合痛みなどもなく、手で押し戻してあげれば戻ります。

めったにありませんが大人でもなることがあり、その場合はやや危険が高いので手術することもあります。

新生児の1割以上はこのヘルニアになっていると言われますが、そのうち9割以上は1~2歳くらいまでに治ります。

それでも治らない場合は、外見上の観点から、手術で治す事もあります。

ただ、先ほど言ったように自然治癒の確立が極めて高いので、慌てて手術をする必要はありません。

鼠径ヘルニアの症状

鼠径ヘルニアの症状

当初のうちは、おなかに力を入れると、おなかに柔らかい膨らみを感じる程度で、しかも抑えれば引っ込むし、横になるなどリラックスしても戻る…と、初期段階のうちは症状という症状がでないのが普通です。

しかし、これを何回も繰り返していくうちに、穴が広がって来て脱出量が増えます。

そのまま放置すると、いよいよ痛みなどの自覚症状が出始めます。

このように放置していると悪化していく一方なので、自分が鼠径ヘルニアだとわかった時点で早めに診察を受ける必要があります。

臍ヘルニアと違って鼠径ヘルニアは嵌頓ヘルニアにもなりやすいので、注意が必要です。

特に成人の場合は診断がつき次第担当医に手術を勧められると思います。

鼠径・臍ヘルニアのまとめ

臍ヘルニアは基本的に放置しても治ることがほとんどなので、保護者の方がきちんと観察していればまず問題は出ないでしょう。

鼠径ヘルニアも、嵌頓を起こさない限りどうということは無いのですが、繰り返すうちに症状が悪化し、最悪の場合かなりの苦痛を伴うことになります。

幸いにも鼠径ヘルニアは見た目で気づきやすいので、気づいたら早めに受診しましょう。


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