人間の身体というか臓器がある部分であれば、ほぼどこにでも起きる可能性があるヘルニア。
しかし、やはり弱くてその部分から臓器がはみ出しやすい…という場所があるのは、ヘルニアになりやすい場所って?のページで紹介しました。
ここでは、その場所ごとに替わる症状や原因について紹介しましょう。
例えば臍(さい)ヘルニアや鼠径ヘルニアは放っておいてもあまり命には関係ないものですが、これが脳ヘルニアともなれば危険度最大級となります。
つまり、おなじく臓器が脱出しているヘルニアでも、その発症部位によって危険度や症状は全く変わってきます。
それぞれの症状や発症部位別に以下の6つに分けて紹介してみましょう。
背骨には24個の骨があり、それぞれに椎間板が挟まっていて、どの椎間板からでもヘルニアになる可能性はあると書きました。
確かにそのとおりなのですが、実際に椎間板ヘルニアになりやすいのは腰の近くの腰椎(ようつい)と、ここで取り上げる頚椎です。
どちらも椎間板に損傷・逸脱などがあって脊髄を初めとする神経群を圧迫することによって症状がでるのですが、頚椎椎間板にヘルニアが出るのと、腰椎椎間板に出るのでは症状や原因などが違うことが多いので、ここでは両者を分けて説明します。
首に違和感や肩こりなどを覚えたなら、もしかして、頚椎椎間板ヘルニアかもしれませんよ。気になるようであれば読んでみて下さいね。
腰椎椎間板ヘルニアは、ほかの骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などと組み合わせて発症した場合、下半身不随など深刻な症状を呈すことがあります。
そこまで行かなくても立っていても座っていても痛い、無意味に転ぶなど、辛い症状を起こすことが多く、油断できないヘルニアです。
大体、椎間板ヘルニアはヘルニアが起こっている部分だけでなく、そこから下の部分に症状が出るケースが多いのです。
もしも足が震える、筋肉に力が入らない、腰下に痛みを感じるなどであれば、腰椎椎間板ヘルニアの可能性もあります。
人間が呼吸する、胃の入り口(噴門)を閉じる、食道はじめ胸の臓器がずり下がったり逆にお腹の臓器がつりあがったりしないようにする…これらは全て横隔膜のお仕事になります。
けいれんしてしゃっくりするだけがお仕事じゃないんですね。
さて、この横隔膜は普段ピッタリと胸骨に張り付き、胸とおなかを区分けしているのですが、さまざまな原因で剥がれたり緩んだりしていることがあります。
そしてそこから臓器がはみ出てくるのが横隔膜ヘルニアなのですが、大抵の場合呼吸がくるしいという症状が出ます。では、どうして緩んだり剥がれたりするのか、など、横隔膜ヘルニアについて紹介してみましょう。
食道裂孔ヘルニアは、横隔膜ヘルニアの一種なのですが、横隔膜ヘルニア全体の大半を占めるくらい多いヘルニアなので、昇格させて1ページ分とることにしました。
ここからさらに3種類に分類されるのですが、その中には発見次第手術したほうがいいものや、薬でしのぐことが出来るものなどがあります。
しかし、食道裂孔ヘルニアの場合、怖いのはヘルニアそのものよりも、合併症または食道裂孔ヘルニアを遠因とする病気たちです。
ここでは、そうした病気たちもあわせて紹介してみました。
鼠径や臍などにできるヘルニアは、比較的良性の物が多く、またどちらのヘルニアもポピュラーなものです。
特に臍ヘルニアは乳児に多く、10人に1人は程度の差こそあれこの臍ヘルニアであるといわれています。
しかし、ほとんどの場合は成長と共に治癒していきます。
鼠径ヘルニアのほうは、やはり先天性の場合が多いのですが、お年寄りにも多く発生します。
なぜこのような発症パターンになるのか、その症状等と一緒に考えてみましょう。
人間の身体で大事な部分をあげろといわれれば、真っ先に挙がるのが脳でしょう。
他の部分は機械で代用させることも出来ますが、脳の場合はそうはいきませんしね。
そういうわけで脳に起きるヘルニアは、他のヘルニアに比べてダントツの危険性・緊急性を要します。ほんの一分二分の違いが明暗を分かつ可能性すらあるのですから。
ここではこういう“怖い”脳ヘルニアについて話しましょう。中で話した初期症状が現れたら要注意です。
これから話す内容のダイジェストとしてこのページを書いてみましたが、上記のことをざっと読んだだけでもヘルニアというものの多様性がわかってもらえたと思います。
だからこそヘルニアの部位別症状や、その原因などを知っておかないと、いざというとき困るでしょう。
今自分がなんとなく不安に感じている部分だけでも理解していただけたら、と思います。