
脳ヘルニアとは何らかの原因によって、頭蓋の中に浮腫(ふしゅ)や出血などを起こしてしまい、その部分が脳を圧迫して脳が押し出されたものをいいます。しかし、押し出そうにも頭蓋骨と脳膜によってはみ出る所がなく、結果として脳自体に圧力がかかり続けます。これを頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)といいます。
脳ヘルニアは頭蓋内圧亢進の最終段階ともいえるもので、脳の位置がずれるスペースがないのに、圧力が限界まで高まってしまい、いよいよ他の組織を押し込んでずれた状態です。いうまでもなく、脳は生命活動をつかさどる部分なので、こうした圧迫などはそのまま生命の危険につながります。大切な部位なだけに、ずれ方や位置などによって6つに細かく分類されていますが、あまりにも専門的過ぎるのでここでは省略します。
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脳自体はほとんど閉鎖された空間です。そこに何らかの力が加わることによる内圧の上昇がヘルニアの原因になるわけです。では、その内圧が高まる原因について紹介しておきましょう。

脳は全ての感覚を握っているだけに、出血の位置や大きさ、方向などといった要因によって実にさまざまな症状を見せます。まずは脳がずれる前(脳圧が高まっている状態)の症状だけでも、痛み、意識を失う、判断力がなくなる、めまい、吐き気、嘔吐、けいれん、まひ、瞳孔が光を追えなくなるなど、恐ろしい症状がめじろ押しです。さらに悪化して脳がずれると脳ヘルニアになるのですが、このずれる先は大抵脊髄部分の大孔といわれる部分(ここだけは脊髄とつながっているので孔があります。)になります。
悪いことにずれた先には呼吸など自律神経をつかさどる部分があるので、脳ヘルニアを起こしてしまうと、この部分を圧迫して自発呼吸困難(じはつこきゅうこんなん、自分で呼吸することが出来なくなる)や脈拍異状などを起こします。さらに悪化すれば呼吸困難から呼吸停止にまで至ります。

他のヘルニアはよほど悪化するか、合併症でも引き起こさない限り生命にまで危険が及ぶ事はまれですが、脳ヘルニアは発症がそのまま命に関わります。というか、発症してしまえばまったくもとの状態に回復するのは極めて難しいもので、その前段階である、脳内圧亢進の段階ですばやく治療してもらうことがなにより大切になります。
頭をぶつけた場合、小さくても出血が起こり、何時間もかけてゆっくり脳ヘルニアにまで育っていく可能性もありますから、多少ぶつけたくらいと安心せず、検査を受けましょう。また、自覚症状である脳の締め付けられるような痛み、吐き気、めまいなどを感じてもやはり検査を受けることをお勧めします。
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